「岸田首相が所得税減税を与党幹部に指示したそうですけど、どう思われますか?」
「どの新聞もその問題を1面で報じていますけど、頭は大丈夫かなというのが、率直な感想です」
「評価が、手厳しいですね」
「税収が増えたので、それを所得税の減税に回すのは、2重、3重に間違っていると思います」
「1つは、何となく分かります。得するのは富裕層だけだということですね」
「そうですね。累進課税で多く税金を支払っている人たちが、一番恩恵を受けることになります」
「一部報道で、選挙対策ではないかと言われていますけど……」
「選挙対策になり得ないと思います。決まった訳ではありませんし、何の実感も湧いていないでしょうから」
「あと2つは何ですか?」
「1つは、増収があった場合は、国債償還費、つまり借金返済にまわすということです。もう1つは、一時的な措置で一番困るのは事務方の人たちです。徴税のシステムを変えて、また戻すということをします」
「成る程、大変ですね」
「ミスが生まれやすくなります」
「労多くして、余り評価されそうにもありませんね。ここから本論です。↓ 表紙写真は「gooニュース」提供です」
財政再建途上にある国
日本は赤字国債を発行している国であることを深く認識して欲しいと思います。赤字国債というのは、文字通り、借金を返すための資金を念出するために発行する国債のことです。
今年の財政状況をみると、歳入全体に占める国債の割合、つまり国債依存度は31.1%でした。国債発行残高が今年度末には1068兆円になる予定です。借金まみれの状況なので、減税するような余裕は率直に言ってありません。
プラス分が少しでもあれば、借金返済に回すと言うことだと思います。そういう姿勢が、国の経済的な信用力を高め、ひいては円安防止の力になります。
(「日本経済新聞」)
政治家は法制度をつくるのが主な仕事
「新しい資本主義」―—岸田首相が就任時に打ち出した言葉です。何を具体的にしようとしているのか、今一歩分かりにくいのですが、基本的には政治家は法制度をつくるのが主な仕事です。「経済家」と言う言葉がないように、経済には原則口を出さないのが賢明だと思っています。
岸田首相の発想は、社会主義的です。人為的な操作をして、「分厚い中間層形成」(「新しい資本主義」)をかたち作ろうとの考えのようです。その層が経済を中心的に引っ張る層と思っているのでしょう。しかし、どうなれば、それが達成されたと判断するのでしょうか。
その層の活性化のために所得税減税をする。税金の還元にもなるし、選挙対策にもなる。その程度の発想だと思います。巨視的な視点が全くありません。
(「政府広報オンライン」)
還元する場合の視点は「経済市場の活性化」
経済を牽引しているのは、個人ではなく、事業者なので、日本全体を見渡して弱っているところに資金を投ずるのが筋でしょう。何で個人に還元するのでしょうか。還元する場合の視点は、「経済市場の活性化」でなければなりません。
つまり、どうしても緊急に資金が必要な産業分野に配布するのです。そうすれば、投ぜられた資金は経済市場にすぐに流れ、活性化に繋がります。
具体的には、酪農や農林水産業の関連事業団体に配るのが良いと思っています。異常気象の影響を受けている分野です。家族経営や零細経営が相対的に多い分野です。資金的援助は、そういう分野に出すべきでしょう。
(「うまいもん事典」)
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