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『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』鑑賞記 ――鬼の描き方が日本人的 / 「努力、美しき生き方、家族愛」がテーマ

「昨日、『鬼滅の刃』を観てきました」

女性

「えっ、本当ですか? 珍しいですね、アニメをご覧になるなんて」

「これだけ話題になっていますからね。子供や孫たちの話題についていけないと困るじゃあないですか。この前も、2歳の孫が口に巻物みたいなものを加えて遊んでいたので、何をやっているの、あれはと聞くと、『鬼滅の刃』の真似をしているんだと娘が言うんですよ」

女性

「2歳の子にまでブームが広がっているのですね。とにかく凄いことになっていて、現在公開中の映画『鬼滅の刃 無限列車編』は11月末日の時点で興行収入が約280億円だそうです。主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)の姓と同じ「竈門」がつく神社が福岡県に2つ大分県に1つあるそうですが、そこに連日フアンが押しかけているそうです」

「関係があるのですか?」

女性

「福岡県太宰府市の「宝満宮竈門神社」は、太宰府政庁の鬼門にあたる北東の方角に建立されているそうです。そこの神社は『鬼を封じ込める役割を果たしてきた』と言っているそうです」

「原作者は、そこの神社から「竈門」の名前を採ったのですか?」

女性

「私は、そこまでは分かりません。作者は出身地を明らかにしていませんので、どういうことでそういう名前になったかが分からないみたいです」

「ミステリアスな部分が多い方が夢が広がりますよね」

女性

「「竈門」の字を普通の人は「かまど」と読めないと思います。あと、「八幡竈門神社」にも鬼にまつわる伝説があって、拝殿の天井に竜が描かれているそうですが、炭治郎が技を繰り出す際に現れるものと似ているそうです」

「しかし、フアンというのは凄いというか、有難いですね。勝手に宣伝してくれますからね」

女性

「そうですね。コロナ禍の中、その3つの神社が「聖地」となり、訪ね歩く「巡礼」となっているようです」

「そういったことが地域振興につながると良いと思います」

女性

「映画の観客動員数が約2000万人だそうです」

「関係者の陰ながらの努力があったからと思いますが、それにしても凄い数ですね」

女性

「公開に合わせて、関連商品を売り出すことにより、お互いにプラスの収益を生み出そうということで、様々なアイディアを商品化したのです」

「例えば?」

女性

「回転ずしチェーンの「くら寿司」は『鬼滅の刃』のキャラクターが描かれたクリアファイルを景品にしたそうです」

「それだけで売り上げが増えたのですか?」

女性

「約8%の増加だそうです。少し笑ってしまったのは、ローソンのおにぎりです。キャラクターをイメージしたおにぎりを用意したところ最初の10日間で1000万個が売れたそうです」

「興味深い話ですね。世の中は、まさにアイディア時代ですね」

女性

「ここからが本論です ↓」

 人気の秘密を探る

観客動員数約2000万人という数字には驚かされますが、そこには必ず理由があります。探っていきたいと思います

子供たちに人気と言いますが、すべての年齢層という訳ではなく、比較的低年齢層と中高年層に人気と言われていますその理由は、ストーリーが単純で分かりやすく、小さな子供でも分かるということ。登場人物たちのセリフが生きる上でのメッセージになっていて、それがストレートに胸に響いてくること。時代設定が大正時代で、昔懐かしい着物、家、風景、そして家族愛などが描きこまれているからだと思います。

そして、テーマは「家族の絆、友情、努力、美しき生き方」でしょうか。これも分かりやすくストレートにセリフに盛り込まれています

 人間と鬼、その違いは紙一重

物語は、昔懐かしいSL蒸気機関車の列車内が主な舞台です。列車内に鬼が出現しますが、主人公のタンジロウ少年は仲間や柱のレンゴクと一緒に鬼退治をするのです。タンジロウ少年はまだ修業中の身なので、腕前はもう一歩です。心身共にこれから鍛えなければいけないというレベルです

この主人公のタンジロウ少年は母と兄弟4人を鬼に殺されたという設定です15歳の少年にとって家族を無くしたことはとても辛くて悲しいこと。仲が良かった家族のことを、ふとした瞬間に思い出したりします。家族で暮らしていた日々がどうして続かなかったのか、どうして幼い妹を助けることが出来なかったのか、自責の念にかられることがあるのです。

一方、レンゴクはかなりの腕前。列車内の鬼は、ことごとく彼によって斬り捨てられていきます。彼にかなう鬼は、列車内にはいなくなります。

この鬼ですが、もともとは人間だったという設定です。人間と鬼、形の上では全く違っていますが、その間は紙一重の違いなのです。人間の中に強欲な部分があり、それが勝れば鬼になれますし、逆に鬼もきれいな心を持てば人間に戻れるのです。だから、しきりに鬼はレンゴクに対して、鬼になれ、と誘うのです。それだけの腕があれば立派な鬼になれる、勿体ないと言います。レンゴクはお前たちとは価値観が違うと言い、突き放します。

鬼の「設定」の仕方は、日本人的だと思います。多分、西洋の人であれば、鬼は鬼、人は人と完全に切り離して描くでしょう。人は鬼になれないし、もちろん鬼は人にもなれないという設定になると思います。

純粋な心をもった人間のレンゴクは、精神的にも強く、侍の心をもっていますいよいよ、人間界と鬼の世界の最強者同士の戦いが始まり、物語はクライマックスを迎えます。最強の鬼は、レンゴクに斬られても斬られてもすぐに傷口が治り、体もあっという間に再生してしまいます。

鬼が住む世界は、人間の心の闇の部分です。人間がいる限り、無くなることはありません。光の世界は美しいし、闇夜をあっという間に無くしてしまうことが出来ます。しかし、時が経てば再び闇夜が戻ってきます。

 後半に多くのメッセージ

人は完全な光の世界を求めて努力をし続けなければいけないのかもしれません。それは長くて遠い道のりです。そのことをタンジロウ少年に言わせています――「一つできると、また一つ壁ができる。そこで躓(つまづ)いている自分がくやしい。レンゴクさんのようになりたい」と。

レンゴクは励まします。「なれるかなれないかメソメソしているんじゃあない。どんなにみじめになっても生きていかなければいけないんだ。お前も俺のようになれ。人生は修行だ」と。

レンゴクは醜い鬼どもは俺が殲滅(せんめつ)すると言って最後の戦いに臨みます少年が憧れるほど強くても所詮は人間なのです。ただ、レンゴクは心の片隅で鬼にはかなわないと思っていたのでしょう。だけど、立ち向かわなければいけないのです。なぜなら、「弱き者を助けるのが強き者の使命だから」です。

最後は、鬼の勝利で終わりレンゴクは死んでしまいます。それでも、彼は汽車の乗客200人の命を救うことができて良かった、そして、心のままに正しい道を歩めと弟に伝えて欲しい、父には健康で生きて欲しいというメッセージをタンジロウに託して息を引き取ります。

鬼は利己的な生き方の象徴として登場させたのでしょう。人は欲求と欲望があるため、どうしても鬼を呼び寄せることになります。それを完全に討ち果たすことは、もしかしたら人間にとって永遠のテーマなのかもしれません。そして、それは代を継いでの戦いなのかもしれません

先日の12月4日の全国紙に「鬼滅の刃」のキャラクターが入った全面広告が一斉に掲載されました。その中に、「夜は開ける。想いは不滅。」とありました。鬼との戦いは、自分との戦いなのかもしれません。実は、それが一番厄介で大変なことなのです。挫折してしまいそうな長い道のり、だけど行くと決めた道、それが正しい道であれば、やがて朝日を浴びながら進むことができるかもしれない。一人ひとりの人生、辛いことがあっても、悲しいことがあっても、前を向いて進むしかない、観ている人たちが自分の人生に重ね合わせながらメッセージを受け取ったのだと思います。

レンゴクの死と意志は、カラスによって全国の柱たちに伝えられました。レンゴクの遺志を全国の柱が受け継いで、鬼との新たな戦いに決意を新たにするのです。そのような余韻をもたせて映画は終わりました。

読んでいただき、ありがとうございました。

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