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日経平均株価上昇から「らんまん」まで ―― 日本経済の真の上昇なくして、株価上昇はない

女性

「日経平均がバブル後の高値をつけたと言ってちょっとしたニュースになってますけど、どう見ますか」

「バブルというのは1990年代の不動産、金融バブルです。バブルは泡という意味なので、実体が伴わないのに、株価だけが上がったことがあったのですね」

女性

「その時は、その後どうなったのですか?」

「長い低迷の後、例のアベノミクスで現在に至っています」

女性

「私はリーマンショックの時代、いわゆる就職氷河期に就職をしたのですが、あの時は株価が大きく下がったのですよね」

「大変な時代に就職されたのですね。正規で就職されたので、運が良かったのかもしれません」

女性

「日頃の信心でしょうか?」

「そちらの方は詳しくないので分かりませんが、とにかく日経平均が1万円を割り込みましたからね。リーマンブラザーズというアメリカの金融会社が64兆円の債務を抱えて破綻をし、それが連鎖的に信用不安を引き起こしたのです」

女性

「最近もアメリカで何行か経営破綻がありましたよね。どう違うのですか?」

「規模的な問題もありますが、セーフティーネットの問題もあります。簡単な例え話をすると、マッチ1本からの火事でも何もしなければ燃え広がりますが、焼夷弾を投げ込まれてもすぐに消火活動をすれば消し止めることが出来ます」

女性

「理屈は分かりました。今回のアメリカの銀行破綻の時でも、株価は殆ど影響ありませんでしたよね。少し驚きました」

「影響が及ばないように、裏では一生懸命「消火活動」をしていたのです。ファースト・リパブリック銀行はモルガン銀行に吸収される形で決着を図られました」

女性

「私の預金が大きな銀行に移ったので安心しました、というアメリカ女性の声をニュースで紹介していましたよね」

「その時も数日で14兆円の預金流出が起きています。モルガン銀行に合併されるというニュースを聞いて、その流れは落ち着いたのです」

女性

「火消しが成功したということですね。ここからが本論です ↓ 表紙写真は「東京新聞」提供です」

 2023年のアメリカでの相次ぐ銀行破綻

2023年になってアメリカの銀行が相次いで経営破綻をしました3行目に破綻したファースト・リパブリックバンクが資産規模で言うとリーマンショック以降で最大のものとなります

問題なのは、今後です。現在、アメリカ金融当局はインフレ対策優先で高金利政策を取っています。金利が高い場合は、高収益の企業でなければ資金を借りようとしませんので、借り手を見つけるのがどうしても難しくなります。銀行不安を最終的に解決するのは、今後のアメリカ経済の行方にかかっています。

(「NHKオンライン」)

 グローバル・マネーが日本に流れ込んでいる

たかが日経平均、されど日経平均なので、そこには人々がこの社会を経済的にどのように見ているかが反映されています根底には、実体経済のパフォーマンスがまずありきですが、今後の人々の予測が反映され、さらにそこにグローバルマネー、つまり国境を越えた投資の資金の動きがあります。

今の日経平均を押し上げているのは、最後のグローバル・マネーです。何故、これが日本に流れ込んでいるのかというと、消去法の結果の選択です。

ヨーロッパ、アメリカは高金利なので、企業収益が上がらないし、新規起業も起こしにくい経済環境になっています。そして、ロシアのウクライナ侵攻と中国の強権化の動きがあります。マネーは紛争や強権を好みませんので、ロシアやアフリカ、さらには中東や東南アジアで落ち着くような所がないのです。今までは香港、中国がありましたが、ここも少し赤信号が点滅しかかっています。そうすると、後はインド、オーストラリア、カナダ、日本位しかないのです。

そして日本の株価を調べてみると、会社の総資産に株価が見合っていない会社が多くあることに気が付いて、一斉に日本に流れ込んでいるような状況になっています

(「トウシル」)

 力強い経済の流れを産み出すのは人材力

今回の株価が上がったのは、米カリスマ投資家ウォーレン・バフェット氏のお陰かもしれません。92歳の彼がわざわざ日本に来て、5大商社のトップと会い、他の企業経営者のトップとの面談を重ねたのです。企業はトップを見れば分かると言われていますが、それを文字通り実践するところが凄いと思います。その年になっても、まだそういうことをするのか、という驚きです。そういうバイタリティー溢れた彼には信奉者が多くいます。バフェット・チルドレンと言われている投資家たちです。彼らが「師匠」の後を追い掛けて日本株に資金を投じたのです

そういう資金ですので、短期資金だと思った方が良いと思います本来は、安定した政治体制の上に、日本経済の力強い歩みがあり、独創的な企業の活発な活動とそれを支える金融の動きがあるべきですが、どれも張り子の虎という感じを受けます。

根本原因は、文科省による全国一律教育による、画一的な人材育成と科挙を思わせるような記憶力優先の公務員試験による中央官庁の役人採用のあり方です。多様な人材が生まれる素地が作られていないため、それが社会の活性化を産みにくくしています。

(「アマゾン」)

 異才を育てる教育システムを

NHKの朝ドラ「らんまん」が現在放送されています植物学者、牧野富太郎博士の生涯をもとにしたドラマ仕立ての内容になっています彼は小学校中退です。東大理学部植物教室に出入りを許され、そこから植物学者としての道を歩み始めます。彼のテレビで放映された言動だけでもつぶさに観察すれば分かるのですが、多分発達障害だと思います。なので得意不得意、好き嫌いが偏っていて、好きなことについては寝食を忘れて熱中します。そんなこともあり、学校教育になじめず小学校を自らの意志でやめています。家庭生活も顧みず研究に没頭し、対人関係は難しい人だったという記録が残っています。

それはともかくとして、様々な出会いと彼の類まれな植物に対する情熱で人生を切り拓いていくのですが、今の時代に彼が生まれていたら、多分不登校から引き籠って人生が終わる可能性が高いと思います今の時代にも彼のような多くの異才が生まれているはずです。なぜ、分かるのか。将棋や囲碁、スポーツ界に多くの異才が生まれているからです学問分野に多くの異才が生まれてもおかしくありません。ところが、いない。ということは、今の教育システムに問題があるということです。

人は石垣、人は城と信玄は言いました。一つひとつ異なった石垣を育成するのではなく、赤レンガを今の文科省は作っています。21世紀の時代を乗り切るのに、偏差値エリートだけでは対応できません。その部分を改革しない限り、日本は沈んでいくと思います。

(「東洋経済オンライン」)

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