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北朝鮮で紙幣発行ができなくなり、金券(「トンピョ」)を発行 ―― コロナ禍での緊急措置

「北朝鮮は、中国との国境ぞいに頑丈な鉄条網や鉄柵、コンクリート壁を設置しているとの情報が入ってきました」

女性

「それはやはり脱北者を防ぐためですか?」

「脱北者は今に始まったことではありませんからね。意外と、コロナ対策なのかもしれません」

女性

「コロナの感染者はゼロと言っていますけど……」

「中国と国境を接しているので、そういうことはあり得ないと思います。ただ、北朝鮮の医療体制ではコロナが蔓延した時に、対応が出来ないだろうと言われています」

女性

「普通に生活が出来ていれば祖国から逃げることを考えないと思います。鉄条網を作るのではなく、きちんとした経済システムを作るのが先だと思いますけど……」

「普通はそう思いますが、この事業は先代の金正日(キム・ジョンイル)総書記の頃からの引継ぎなのです。今回の脱北防止用の鉄条網は、豆満江で約600キロメートル、鴨緑江で約800キロメートルと、合計で1400キロメートルに達しますが、この長さは大阪・沖縄間の距離とほぼ同じです」

女性

「すごい距離ですね。それだけの距離の間には、どこかに隙があり、そこを狙って脱北してきた人がいたのですね」

「脱北だけでなく、中朝間の密輸業者も跋扈(ばっこ)していたのです」

女性

「片目をつむって見逃せば良いと思いますけどね。去る者は追わず、来る者は拒まずで……」

「国籍離脱の自由、経済活動の自由は人権ですからね。脱北を認めないのなら、国内での国民の生活を保障する必要があります。さらに問題なのは、その鉄条網を住民を動員して作らせているということです」

女性

「ただ働きですか?」

「建設機械は一台も投入せず、軍人、突撃隊、住民が手作業で工事をしているそうです。さらに驚くのは、鉄条網の敷設工事に動員された軍人が高射砲司令部傘下の女性軍人や予備兵として登録されている一般の女性だということです」

女性

「可哀想としか言いようがないですね。ここからが本論です ↓」

 北朝鮮で紙幣発行ができなくなり、金券(「トンピョ」)を発行

石丸次郎氏(アジアプレス大阪事務所代表)のインターネットへの投稿――北朝鮮の<絶対秘密>指定文書を入手した――がありました。ただ、この投稿も昨日の中国の女子テニス選手と同じで短時間で消されています。重要な情報なのに、どの新聞も報道する気配がないので内容を要約して伝えたいと思います。

北朝鮮が紙幣発行ができなくなり、2021年10月に臨時の金券(「トンピョ」)を発行せざるを得なくなったという内容です。住民たちは不信感から商店や市場で「トンピョ」の受け取りを拒否したり、割り引いて売買したりするなど、混乱が生じているとのことです。

この「トンピョ」というのは、朝鮮中央銀行が発行する臨時の金券、いわばクーポン券です。朝鮮中央銀行が臨時の金券なんか発行しないで、普通に紙幣を印刷すれば良いのではと思うかもしれませんが、要するにその紙幣を印刷する紙とインクが不足しているということなのです

(トンピョ/「Yahoo!ニュース-Yahoo!JAPAN」)

 「トンピョ」と正規の紙幣が併存

「トンピョ」の額面は正規の紙幣の最高額と同じ5000ウォン。9月初旬、韓国メディアが入手した写真を報じて明らかになりました。発行されたのは今年の8月から9月初めにかけてです。要するに、中央銀行が発行している紙幣が2種類あって、正規の紙幣と「トンピョ」があり、それらが併存しているということです。ただ、「トンピョ」はそういう事情で発行されたものですから、本物に比べれば紙や印刷の質が劣ります。

仮に日本で同じようなことがあったとして、自分の行動を想像して欲しいのです。5000ウォンという金額をどちらの紙幣でもらいたいかということです。聞くこと自体、野暮かもしれませんが……。新たに発行された臨時金券「トンピョ」、5000ウォンは2021年11月12日の実勢レートで約65円とのこと。北朝鮮では、これが最高額の紙幣ですが、これだけでも経済力が分かります。

「トンピョ」は発行するやいなや住民たちから不信を買っているとのことです。北部地域に住む複数の取材協力者は、10月後半に現状を次のように報告してきたそうです。

「国のお金も信用ならないのに、『トンピョ』なんて誰が信じるのか。商売人たちはできるだけ受け取らないようにしている」(咸鏡北道(ハムギョンプクド))

「『トンピョ』のことを人々は鼻で笑っている。それで5000ウォン券を現金4000ウォン程に割り引いて買い取る両替商が出ている。彼らはまだ現金を持っている企業や機関に持っていってコネを使って現金と交換して利ざや稼いでいる。『トンピョ』が出て国に金がないことが分かったから、何が何でも中国元か米ドルをもたなければならないと考える人が増えた」(両江道(リャンガンド))とのことです。

通貨を信用通貨と言うことがあるように、通貨が流通するためには信用が必要です。かつては金や銀といった貴金属によって信用の裏付けがなされていましたが、現在は国の経済力が信用の裏付けをします。国に経済的な信用がなくなれば、誰もその国の通貨を欲しいとは思わなくなります。当たり前です。ただの紙キレになるかもしれないからです。

(臨時金券を発行したいきさつが書かれた/「Yahoo!ニュース-Yahoo!JAPAN」)

 

 「トンピョ」を強制力を使って流通させようとしている

北朝鮮の内部文書によると、2021年の9月24日に、中央銀行がトンピョを発行した国家的措置に対する正しい認識を持つべしという指令が出ています。そこでは、発行の理由について、「…世界的な保健危機が長期化しているため、国家的に工場、企業所の生産と経営活動に必要な現金需要を円満に充足させられないことから、経済建設と人民生活向上のための事業が支障を受けている。国家では貨幣流通における一時的な難関を主動的に打開するため、5000ウォン券種の中央銀行トンピョを発行する措置を取った」とあります。

「保健危機」とは、いうまでもなく新型コロナウイルスによるパンデミックのことです。北朝鮮政府はウイルス流入を遮断するため、昨年1月末から中国との国境を閉じて貿易を激減させ、国内で人の移動と物資の流通を厳しく統制しました。その副作用によって財政危機が発生していることを文書は認めているのです。理由はともかくとして、トンピョを国家権力をバックに流通させようとしていることです。経済というのは、生き物なので権力を使って無理矢理に紙幣を流通させようとしても上手くいかないものなのです。

商店や食堂をはじめとする奉仕単位と市場と野外売店、旅客バスなどでは、客が出す中央銀行トンピョで、即、奉仕決済をしなければならない。中央銀行トンピョを割り引いて受け取る現象が絶対に現れないようにしなければならない。……」という指令が出されます。

実際の場面においては、「政府は『正規の金と同じだ』と言うけれど誰が信じる? これまでさんざん騙されてきたからね。物々交換の方がましだ」から始まって、「今、中央銀行トンピョの流通過程で、あれこれの偏向が現れている。一部の商業級養奉仕機関(商業サービス機関)と市場、住民らが、中央銀行トンピョを持っていると、後で現金と交換してくれなかったら大変なことになる、トンピョの質は5000ウォン札より劣っているとして、受け取ろうとしない」、「5000ウォンのトンピョを4000ウォンあるいは3800ウォンに割引して受け取ろうとしている」といった動きがあります。市場ではまともに扱われていないことを認めているのです(アジアプレス)

言うことを聞かない国民を政治的強制力で行動を規制することは出来ても、経済活動を国家権力の力で無理矢理回そうとしても上手くいきません。考えてみれば、当たり前です。それが出来れば、強権政治の国は軒並み経済発展しているはずです。それだけに、政府が発行した金券に対して、国民がどう捉えているか、多くを語らずともそれで全て分かるということです。

日本の地方自治体が5000円の金券を発行すれば、誰もが5000円の価値をもっていると思います。4500円で売り出せば、多くの人が買い求めると思います。北朝鮮の中央銀行の信用力は、日本の地方自治体よりも低いということなのです。

(新たに設置された鉄条網/「Yahoo!ニュース-Yahoo!JAPAN)

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