「オリンピックの開会式でのピクトグラムが評判になっていることを知っていますか?」
「そのピクトグラムというのは何ですか?」
「ピクトグラムというのは絵文字なんですが、もともとの始まりは1964年の東京オリンピックだったそうです。今回はそのピクトグラムに合わせて青と白のウエアーを着たパフォーマー50種類の競技のピクトグラムの実写版として演じたのです」
「いろんな国で話題になったということで、産経新聞なんかが紹介をしていた、あれですね」
「一見の価値がありますので、是非ユーチューブで見て下さい。「オリンピック開会式ピクトグラム」で検索すれば、出てきます」
「是非、拝見したいと思います。あと、大会が進んで連日のメダルに湧いていますが、取れると思っていた人が取れなかったり、無理かなと思っていた人が取れたりと、悲喜こもごもですね」
「人生を感じますよね」
「印象に残っている選手がいますか?」
「水泳で2つの金メダルを取った大橋悠依選手ですかね。テレビでエピソードを紹介していたのですが、無名のスイマーだった彼女を見出したのが日本代表の平井伯昌(のぶまさ)ヘッドコーチだったそうです」
「見る人が見れば、分かるということですね」
「それで自分が監督をしている東洋大学に誘ったそうです。ただ、すぐに目が出ずに大学2年生の時の全日本個人メドレーは出場者40人中最下位だったそうです」
「だってそれ、5、6年前のことでしょ。年齢から逆算すれば」
「水泳をやめたいって泣いたそうです。大学を普通に卒業して田舎に帰って就職を考えていたそうです」
「普通はそう考えるでしょうね。いろいろあって、水泳を続けて金メダル2冠ですか。選手も立派ですが、彼女の素質を見抜いた方の慧眼に拍手を送りたいと思います。まさに故事成語を地でいくようなエピソードですね」
「どういう故事成語ですか?」
「「千里の馬は数多けれど、伯楽世になし」という故事成語です」
「能力のある人は多くいるけれど、その能力を見抜ける人は極めて少ないということですね」
「自分のことが一番分からないのです。それを分かってくれる人の目に留まることが大事なんですが、そのためには本人の努力と運が必要です」
「ここからが本論です ↓」
「千里の馬は数多けれど、伯楽世になし」
唐の時代の文人の韓愈(かんゆ)が自分の才能を見抜くことができる伯楽はいないのかと嘆いて書いた文章と言われています。名伯楽という言葉が遺っていて、名詞のように使われていますが、もともと伯楽という名の人がいたのです。紀元前7世紀秦の時代の人です。名馬か駄馬かを見抜く目があったと言われています。彼の目に留まった馬は、それだけで高値が付いたと言われるエピソードがあります。
スポーツで活躍するのは選手なので、どうしても選手に目が行きがちですが、実はその選手の才能を見抜き育てる優秀なコーチを養成することの方が大事なのです。仮に能力が高く素質があったとしても、伯楽がいなければ、その能力を発揮することなく埋もれてしまうからです。テレビで「あの人は今はどこに」ということで放映することがありますが、実際には、多くの能力ある選手が埋もれたと思っています。名選手必ずしも名コーチならずなので、実績がある選手をコーチにすれば良いというものでもありません。物事は、そんなに単純ではないのです。
あとスポーツで大事なのは、入門期です。そのスポーツの楽しさを教えつつ、基本的なことをきちんと教えてくれることがないと、能力が潰されます。一番良くないのは、自分の狭い経験や感覚を押し付けたり、あるいは自分が教えられた古い時代の教え方をそのまま教えたりすることです。やはり能力が潰されます。親が勝手に教えて潰す場合もあります。
(「アメブロ」)
体軸真っ直ぐ、フォームを作ることが一番大事
金メダルを取った大橋悠依選手は、3歳のときに地元のスイミングスクールで水泳を始めたそうです。練習嫌いで「隙あれば楽をしたい」という性格で、量より質を求めるスクールの方針がかみ合ったとのこと。水中で体を一直線に保つ練習で地道に体幹を鍛え、抵抗の少ない姿勢を体にたたき込んだことが功を奏したと言われています(インターネットの情報から)。
とにかく泳がせれば良いだろう、ボールを打たせれば上手くなるだろうと思いかちですが、実は泳ぐフォーム、ボールを打つフォームが重要なのです。その場合に大事なのは体軸です。それが常に真っ直ぐになるように、どんな場合でもブレないような合理的なフォームを身に付けさせることが大事です。このことは、多分すべてのスポーツに共通するのではないかと思います。
フォームの乱れ、軸のブレというのは、選手には分かりません。自分のプレィをビデオで撮ってもらって、それを後で見てガッカリするということがよくあります。自分の体感と実際の動きが違っているということです。体感通りに正確にプレィ出来て、それを分析、修正できればプロですが、そこまでのレベルに行くためには伯楽のサポートがどうしても必要なのです。
(「You Tube」)
フォームを作らないで打たせても上手くはならない
私自身はテニスを専門に教えてきました。中学、高校と6年間テニスの面倒を見た女子選手の青山修子選手が今回の東京オリンピックに出場することができたのですが、彼女は中学に入ってきた時点で、体軸を真っすぐにして打つ打ち方が出来ていたのです。ここまでフォームが出来ていれば、後は様々な状況を設定したボールを打たせて、試合練習を積み重ねれば良いのです。負けた試合には、必ず何らかの学びがありますので、それを分析して練習に生かす、それを繰り返していけば上手くなっていきます。後は、体軸とフォームが崩れないように注意をしてあげれば良いだけです。
今は健康のためのテニスを週に2回位、地元のテニススクールで汗を流しているウイークエンドプレィヤーです。そのスクールでは、若いコーチたちがジュニアの子供たちを教えていて、たまにそのレッスンを見させてもらっているのですが、私に言わせればメチャクチャな教え方です。
要するに、何でもボールさえ打たせれば良いだろうという発想です。なので、子供たちは理屈が分からないままラケットを思い思いの感覚で振り回しているだけです。体軸とフォームについては、何の注意もしていない感じです。仮に100年練習しても、殆ど上手くはなりません。
(「テニス上達奮闘記」)
親は名伯楽を求めて行動すべし
親御さんの中には、ジュニアの子供たちのレッスンをすべて見ている方が何人かいますが、親として必要なのは伯楽を探すことです。我が子のレッスンを見ていても上手くはなりません。どこかのテニスクラブに必ず伯楽がいるはずです。今はインターネットで様々な情報が取れます。ジュニアの大会で高い戦績を上げているテニスクラブはどこなのか、誰が教えているのかということから絞り込んでいけば、伯楽を探し当てることができるかもしれません。探し当てたら、後はお任せすれば良いだけです。
我が子をスポーツ選手にしたいと思うのならば、そのスポーツをきちんと理解し指導してくれる伯楽コーチを見つけることです。その方を見つけて、自分の子供の才能と将来性を見てもらって(スポーツはどうしても持って生まれた才能と種目の合う合わないがあります)。あるとなれば、後は親は全力でサポートすることです。
日本は中国や旧ソ連と違って、スポーツを国策として取り組んでいません。そのため選手の掘り起こしの最初の部分と資金のサポートの部分において、親は大きな役割を果たす必要があるのです。大谷しかり、大坂なおみしかりです。日本のプロレベルの選手の親は必ず何らかのサポートをしているはずです。親が知らないうちに、子供が勝手にプロになるということはありません。
(「GYAO!-Yahoo Japan」)
星飛雄馬も、父一徹のスパルタ指導のもとプロ野球の選手になったのです(あっ、これは漫画の世界のことでした。失礼しました)。
読んでいただき、ありがとうございました。
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