「昨日は成人式でしたね。18歳が成人となったのですが、20歳の人に対して行った自治体が圧倒的に多かったようです」
「長年、20歳の成人式ということで行ってきましたからね、法律で成人年齢を下げたからと言ってハイそうですかとはなかなか行かないのでしょうね」
「成人式とは謳えないので、「20歳の集い」にして開催したようですね。千葉県はディズニーシーの会場を借りて成人式の会を催したとのことです」
「ただ、楽しくおめでとうだけで終わらせないで、その後の厳しい人生を乗り切る覚悟を決めて欲しいですよね」
「晴れ着で未来の希望を語る人もいれば、自殺を考える人もいる。ヒトそれぞれですね」
「格差社会の影響と夢を語れない現実の出現の中で、自殺をする人が絶えません」
「悲喜こもごもですか。私は、西城秀樹のYMCAを歌ってはしゃいでいました。ノー天気だったと思っています」
「その歌の中で「やりたいこと、何でも出来るのさ」という歌詞があるの知ってますか?」
「その後、YMCAの振付があります」
「歌の話ではなく、この自由さが命とりになることもあるのです」
「どういうことですか?」
「自由度があり過ぎると、自分が進むべき道が分からなくなることが多いということです」
「選択肢を少なくすれば良いのですか?」
「単純に少なくすれば良い訳ではありません。そもそも、そんなことは出来ません」
「その辺りは本論でお願いします ↓ 表題写真は「報道特集」からのものです」
人口減社会——若者の自殺を減らす対策を
自殺願望の女子高校生が、そのことをSNSで発信して、それを聞きつけた者が自殺幇助をしようとする事件がつい最近も起き、一人の男性が逮捕されました。ただでさえ人口減社会です。若者一人ひとりの命は大変貴重ということで、政府も昨秋の10月に「自殺総合対策大綱」を閣議決定しました。コロナ禍の中で、普段よりも一層孤独感を感じるのか、「非常事態は続いている」と明記されています。
自殺者、特に若い女性の自殺者が多い――全体自殺者の中で20代女性が占める割合が65%――ということで、女性に対する対策を「重点施策」としたのです。さらに、問題なのは、小中高校生の自殺者が相変わらず多いことです。毎年、約500人位の人が自らの命を絶っています。
主な原因は、家庭や進路の悩み、いじめやコンプレックスなど、様々な要因が複雑に絡み合っていると思います。キリスト教やイスラム教は自殺を犯罪として捉えますので、そこで歯止めがかかっている部分があります。そんなこともあり、G7の国の中で、日本が最も自殺率が高いのが現実です。
(「NHK」)
総花的な対策では効果は上がらない
2006年に自殺対策基本法が制定され、それに基づいて「自殺総合対策大綱」を5年ごとに策定することになっています。ただ、内容が総花的で、なおかつ抽象的です。総てを盛り込んで「やっている感」だけを見せているという印象を受けます。
例えば、大綱の「第1 自殺総合対策の基本理念」を「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す」とし、阻害要因として「過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤立等」としています。すべての世代を対象にしつつも、特に若い人達の自殺対策から具体的に方針を策定する必要があります。
そのためには、関係者が教育現場に入って、そこから見える子供たちの姿を観察したり、教師や親、コミュニティースクールの運営協議会の委員の話を聞くなどして原因を探り、そういったものを具体的な対策に生かす構えが必要です。残念ながら、頭の中で観念的に作り上げた対策になっています。こういうものは、実際には効果を発揮することはありません。
(「自殺対策支援センターライフリンク」)
対策のヒントは現場にあり
人はどういう時に自殺を考えるのでしょうか。人間以外の動物は自殺をしません。人間だけが、そういう行為をします。よく考えれば、不思議な現象です。
人間は動物の一種ですので、生きたいと本能的に思っていることは確かです。その思いを打ち消してしまう程の死にたい願望というのは、どういったものでしょうか。個々具体的には状況が違いますが、一般的に言うと、一つは自分の人生の方向が定まらない場合。どちらに進んで良いか分からない。立ち止まることも出来ないし、後退もしたくない。そういう時に、人は死を考えます。
二つ目は、人間は社会的動物です。孤立感・孤独感を強く継続的に感じ、その解消の見通しがなさそうと思った時に人は死を考えます。
大きく分けてこの2つです。これが具体的な場面で、様々な態様として表われます。基本的には教育現場で様々な工夫を施せば、全てとは言いませんがかなりの部分について対応できるのではないかと思っています。ヒントは常に現場にあります。
(「幻冬舎ゴールドライフオンライン」)
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