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いつまで続く、マルクスへの忖度 ―― 『資本論』は『共産党宣言』を理論的に補強する目的で書かれたもの

女性

「昨日のブログで、経済と政治の違いがよく分かりました。これからは、もう少し意識して使い分けていきたいと思います」

「とにかく、資本主義経済を分析したからといって、そこから日本経済の未来を導きだすことも、政治のテーマが導き出されることもありません」

女性

「例えば、データを並べて資本主義の崩壊とか、資本主義の終焉という結論を導き出せないということですね」

「資本主義は形を変えて人類と共に存続します。人間の行動結果が様々な経済活動を生んでいますが、自然現象と同じで予測することは殆ど不可能です」

女性

「経済の事象から政治のテーマが導き出せないというのは、どういうことですか?」

「こういう論法をよく聞きませんか。資本主義の矛盾が広まった、いよいよ革命前夜だ、という類のものです」

女性

「『共産党宣言』もそういった書き方をしているのですか?」

「経済的生産と経済的仕組みや対立の構造について延々と述べて、世界的な革命運動を呼び掛けています」

女性

「経済的事情から政治的命題を導いているのですね」

「そうですね。だから、内容的に「無理筋」です。共産党宣言は「ヨーロッパに幽霊が出る――共産主義という幽霊」という有名な書き出しで始まりますが、それから約170年経ちましたが、ヨーロッパから見事に共産主義の幽霊がいなくなりました」

女性

「かつては、ユーロ・コミュニズムということで戦後において一定程度の影響力があったのですよね」

「1970年代から80年代にかけての頃ですね。フランス共産党、イタリア共産党、スペイン共産党が中心だったと思います。彼らはやがて総じて議会主義の方向に転じます」

女性

「共産党が元気なのは、アジア地域だけということですか」

「中国共産党という存在がありますからね。アジアはここしばらくは、中国の影響をいろいろ受けるだろうし、振り回されると思います」

女性

「それも予想できないということですか?」

「政治的な事柄は、経済よりも予想が立てやすいのです。中国は、一帯一路という名の世界征服というシナリオに基づいて行動してくると思います。経済はあくまでも、その政治的目標を達成するためのツールに過ぎないという捉え方です」

女性

「ここからが本論です ↓」

 『共産党宣言』はユダヤ人国家の創設を目的として出された政治的文書

マルクスは1818年に生まれ1883年に亡くなっています。イギリスの産業革命が終盤にさしかかった頃に『共産党宣言』が出ます。今から、約170年前のことです。資本主義が独占資本主義の時代に移ろうとしているような時期です。

『共産党宣言』はある目的をもって出された政治的文書です。社会や歴史を正確に分析して書かれたものではありません。マルクス30歳の時のものですが、マルクスはユダヤ人国家をつくるという野望を胸に文章を書いています。ユダヤ人は亡国の民として世界をさまよっていた時代です。マルクスは情熱的な人です。ユダヤ人国家を自分の手でと強烈に思いながら生活していたと思います。そのためには、どうすればいいのか。人を動かす必要があります。どうやって、どういう方向に。マルクスの自問自答は続きます。

人間は論理があれば行動する動物です。その方向性についても、論理で指し示すことができます。いかに、ヨーロッパの国々を動乱に導くか、動乱の担い手を賃金労働者に定め、彼らを先導する論理を考えなければいけません。その解答が『共産党宣言』だったのです。

「今日まであらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」というインパクトのあるフレーズを持ってきて、今や資本家階級と労働者階級の闘争となった。共産主義者は労働者階級のために闘う、獲得目標は「世界」であるとしています。世界が混乱すれば、ユダヤ人国家を創設するチャンスが広がるからです

 『資本論』は『共産党宣言』を理論的に補強する目的で書かれた書

日本人は忖度が強い民族なのか、一度古典的名著として評価されてしまうと、それを時代に合わせて読み替えることをしません。『資本論』をまるでコミュニストの『聖書』のように扱っている感じがします。『資本論』に関する本がいくつか出されていますが、結局マルクスの『資本論』をそのまま無批判に継承しているだけです。

『資本論』の最初は商品分析から始まります。彼が例に挙げているものは、小麦や絹といった1次産品です。ここから、使用価値、交換価値という話になって、価値の源泉は労働力であり、その労働力によって剰余価値が生み出され、それが資本家によって搾取されているという理屈です。

 この『資本論』は、『共産党宣言』を理論的に補強する目的で書かれた書です『共産党宣言』の中で最も理論的に弱い点は、「階級闘争の歴史」の理由付けの部分です。資本家階級と労働者階級がどうして対立しなければいけないのか、資本家である経営者と労働者が共に手を携えて会社を支えても良いのではないのかと言われた時に反論できないのです。現に、マルクスの大親友のエンゲルスは工場経営者であり資本家です。マルクスは彼から資金援助をしてもらっていました。彼は本気で資本家階級と労働者階級の対立を言っていたわけではないのです。

資本家階級と労働者階級の対立について、話を戻します。『共産党宣言』のその箇所の論理は、説得性に欠けています。一応、その下りを紹介します――「賃金労働、プロレタリアの労働は、プロレタリアに財産を与えるだろうか?決してあたえはしない。賃金労働は資本という財産を作り出す。それは賃金労働を搾取するものであり、そしてまたそれは、あたらしい賃金労働を生産してそれをふたたび搾取するという条件がなくては、みずからふえることのない財産である。今日の形の財産は、資本と賃金労働の対立のなかを動いているのである。……」(『共産党宣言』岩波文庫、1971年/59ページ)。唐突に「搾取」という言葉が出ていますが、納得するような説明になっていません。

搾取」という上手い言葉を見つけたものの、納得しなければ人は行動しないので、理屈を考え出さなければいけません。

マルクスはそのことに対して、労働力は資本主義下では商品として売買され、かつそのもっている価値以上の価値を生み出す特殊の商品であると説明します。そして、労働力は剰余価値を生み出す源泉であり、その価値を資本家によって巧妙に搾取されているという理屈を考えつくのです。この論理を広げるために、インターナル組織を立ち上がります

(第一インターナショナル創立宣言/Wikiwand)

  マルクスの論理では、現実の経済活動を説明できないいくつかのこと

マルクスの論理も実際の経済社会の具体例に当てはめて考えると、説明できないことがいろいろ出てきます。例えば、時給1000円で雇った労働者が実際には500円の価値しか生み出さないこともあります。つまり、すべてが搾取されているわけではありません。そもそも、常に搾取されているならば、会社の倒産が何故起こるのかということについて説明できないと思います。会社は時代とともに成長し、倒産することはあり得ないということになりませんか。

そして、経営サイドからすると、1000円の利益があり、その利益はすべて労働者が生み出したもの、「搾取」は出来ないということで1000円をそのまま労働者に全額払ってしまっていたならば、会社はやがて倒産します。経営者の収入はゼロです。

1000円の利益は、会社、経営者、労働者が協力して得たお金なので、それを3者で配分すると倒産せず、お互い安心して働くことができます。これが実態に合った説明です。ということは、「搾取」という被害者意識をあおるような言葉を使うこと自体が不適切ということです。ということは、経営者と労働者は協力すべきであり、対立するのは本来的におかしいということになります。この「搾取」というおかしな言葉が、現代においても死語にはなっていません。マルクスへの忖度効果でしょう。そして、現代は雇われる立場がイヤならば、自分で起業できる時代です。資本金0円でも大丈夫ですし、そこまでは無理と言うならば、副業を考えても良いのです。階級社会ではありませんので、自分のポジションは自由に変えて良いのです

それから、商品の価値は労働力の投下に比例するという労働価値説ですが、これもすべての商品について納得できる説明をすることができません。そもそも、資本主義社会において、価格は市場の中で形成されます。20時間の労力を掛けて作った商品かもしれませんが、わずか5時間かけて作られた製品の方が高く売れることもあります。投下された労働量に比例して価格が高くなる訳ではありません。生産者サイドには、価格を決定する権限が与えられている訳ではないからです。最終的には市場で判断されることになるからです。

とにかく『資本論』はユダヤ人マルクスがある一つの目的を胸に秘めて書いた書なので、常にそのことを念頭に置いて読む必要がありますし、バイブルのように読むべき書ではありません

(「情報労連リポート」)

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