「『5Gスマホ普及加速』という記事が『毎日』に載っていました」
「ただ、まだまだ普及はこれからだし、加速はしていないと思いますけど……」
「希望的観測ということでしょうか」
「確かに、今年の2020年は『5G元年』とも言われていますが、5G基地局の本格的整備がこれからだということです」
「総務省は2023年度末をメドに21万局以上の展開を目指すとのことです(『毎日』)」
「5Gの登場により従来の約20倍の高速・大容量通信が可能になるということです」
「だから、2時間の映画が、わずか3秒でダウンロードできるようになるそうです」
「5Gの時代になると、中国がますます存在感を示す可能性が出てきます。実際に5G機種はファーウェイやZTEはすでに端末の販売を開始していますし、「ファーウェイは2020年4~6月期の世界のスマートフォン出荷台数のシェアで初の首位に立った」(『日経』2020.8.1日付)とのことです」
「ファーウェイというのは、トランプ大統領に目の仇にされている企業ですよね」
「今は、ファーウェイだけではなく、中国IT企業の排除に向かっています」
「理由は、個人情報保護ということでしょうか」
「そういった中国企業のデータベースに共産党政府がアクセスできる環境にあるし、常に個人情報が抜き取られる可能性があるからです」
「昨日のブログで言っていましたが、実際に米国籍で米国在住の男性が「香港国家安全法」違反で中国から国際指名手配を受けてしまう、ということもあるのですね」
「アメリカと日本の成人の大人の情報は、中国に抜き取られていると考えた方が良いと言われています」
「えっ、私の情報もですか?」
「向こうが貴重な情報と考えているかどうかの問題がありますが、掌中にあると思った方が良いでしょう」
「そういうこともあって、動画投稿アプリの『TikTok』を禁止しようという自治体も出ているのですね」
「アメリカ、インドは中国アプリを禁止する方向で動いています。日本の場合は、自治体によって対応が違います。自民党は禁止する方向で調整しようとしています。他の政党はよく分かりません」
「バラバラというのが日本らしいですね。ここからが本論です ↓」
ジョージ・ソロスが「ダボス会議」で述べた差し迫った危機感
ジョージ・ソロス氏はユダヤ人投資家ですが、彼が2019年にスイスで開かれたダボス会議で、中国共産党に対する批判演説を展開したのです。
このダボス会議というのは、スイスの実業家であり大学教授でもあったクラウス・シュワブ氏が提唱して1971年から始まったものです。世界の政治家、実業家が一堂に会して討議をする会議として有名です。
インターネットの記事によりますと、ソロス氏は中国のために「これまでにない危険」に世界は直面していると言っています。
そして続けて、「抑圧的な政府の手によって機械学習や人工知能といった統制の手段がもたらし得る、開かれた社会が直面する致命的な危険に注意を呼び掛けたい。絶大な権力を維持するため、習近平が一党支配する中国にわたしは注目し続ける」と発言したのです。
つまり、中国共産党という極めて抑圧的な政権とIT大手企業が結託して、開かれた社会が今後一気にクローズドする危険性が現実の脅威として差し迫っていると言っています。
中国共産党によって、外堀はすでに埋められてしまった
ジョージ・ソロス氏は、もともと反トランプの立場だった人です。反トランプ陣営に対しても資金提供をしてきた経歴があります。その彼が、ここに来てトランプに頑張れとエールを送らざるを得ない程危機が進行しているということです。
アメリカもここに来て、危機感を募らせています。その表れが先日のポンペオ国務長官の演説だったのです。
5Gの時代といわれていますが、5G関連の「標準必須特許保有件数」のデータを見ると、ファーウェイとZTEの中国の2つのIT企業だけで約2700件の特許を取得しています。5G通信の特許数の35%を中国勢が占めています。ちなみに、日本は富士通の20件、NECの7件という状態です (深田萌絵『「5G革命」の真実』WAC.2019年/108ページ)。
この差は一体何なのかと思われるかもしれませんが、簡単に言えば国家のバックアップがあるかないかの違いです。日本の政治家は勘違いしているのです。自由主義経済だから、何でも自由にさせれば良いと思っているフシがあるのですが、自由と競争はつきもので、競争に負ければ呑み込まれることが分かっていないのです。もっとも、国内にあって呑み込まれるように仕向けている勢力もあるのですが……。
そして2019年の2月の時点で、ファーウェイ製の基地局は世界で9万5千基以上とのことだったので、現在は10万をとっくに超えているでしょう。
とにかく、米中の争いは、単なる通信技術を巡っての争いではなく、世界がジョージ・オーウェルが描いた『1984年』の世界になるかどうかの境目まで来ているということなのです。だから、中国はここが勝負時と考えて、世界各地で一気呵成に出てきているのです。
「これは『謀報インフラ』をめぐる『グローバルな政治実質支配の覇権争い』なのだ。近い将来、中国製5G基地局によって世界が中国共産党に実質支配されるインフラが完成するかどうかという瀬戸際にある」(深田萌絵『「5G革命」の真実』WAC.2019年/74ページ)のです。
中国共産党+巨大テック企業 対 ファイブアイズ+日本
8月5日付『産経』の1面トップ記事は「日本もファイブアイズに」ということでブレア元イギリス首相のインターネットが掲載されました。『産経』は今の世界状況がよく分かっています。
反中国共産党のファイブアイズのメンバーは、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドです。いずれも英語圏の国々ですが、同じ価値観を共有できる国として、日本に参加を呼びかけています。ただ、日本は情報や技術を防衛する意識が極めて低い国です。スパイ天国、工作員天国と言われています。そのままメンバーになっても、重要情報が日本からすべて流れる可能性があります。
その辺りについて深田氏は「日本中のあらゆる技術が中国に盗まれている」(深田萌絵 前掲書 133ページ)と指摘。そして「盗み出された技術情報は『中国製造2025』を通じて軍事兵器となり、その矛先は日本に向くのだ。米中貿易戦争、5G覇権争いは戦争に通じているという意識が国会議員に欠けていることが一番の問題だ。少なくとも、米国と足並みを揃えられるレベルまで早急に法整備を行わなければ、その損失は経済的なモノだけに留まらず、いずれは日本の国土を失う危機にまで発展する」(深田萌絵 前掲書 135ページ)
野党は総じて思考ベクトルが逆に向いています。世界の流れを読んで行動して欲しいと思っています。
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