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定年70歳時代に突入 ―― 働き方、生き方が大きく変わろうとしている時代 / 健康寿命を伸ばす努力も大事

女性

「定年が延長されると聞いたのですが……」

「この4月1日より70歳までの雇用機会確保の努力義務が始まります。努力義務なので、導入するところと、しないところが出てきます。ところで、このニュースを聞いて率直に嬉しかったですか?」

女性

「私はその年齢まではとてもではありませんが、無理だと思います。ただ、主人が働いてくれると思うと、何となく嬉しくなりました」

「要するに、自分は働かないけれど、ご主人が働いてガンバレということですか? 何か、ちゃっかりしている感じがしますが、ご主人はそれで良いと言っているのですか?」

女性

「いえ、まだそのことは何も。あくまでも私のプランです」

「あと、ご主人の勤めている会社が、高齢者の継続雇用についてどのように考えるかですね」

女性

「社長さんは社員思いなので、前向きに取り組んでくれると思います。それはそうと定年70歳というのは、国際的に見てどうなんですか?」

「すべての国を調べた訳ではありませんが、米英独の3か国は定年を67~68歳にすることを政治的に決断しています」

女性

「日本は、それらの国よりも平均寿命が長いので、70歳というのは落としどころとしてはおかしくないということですね」

「米英独もそうだと思いますが、年金制度との絡みがあります。超高齢化社会の中でも年金制度を維持していかなくてはならないという事情の中での措置だとご理解下さい」

女性

「働く側は、今まで以上に健康づくりということが大事になってくるように思います」

「身体の健康、そして心の健康。2つですね。今までより「走る距離」が長くなりますので、走る前の準備教育、何を目指して走るのか、そしてその中で自分の人生をどう創るのかということも教育プログラムとして必要だと思います」

女性

「今まで、私自身余り人生を深く考えたことがなかったかもしれません。これを機に、ダンナと話し合ってみたいと思います」

「二人で歩むことができれば、人生の道のりも軽やかになるかもしれません。ここからが本論です」

 働き方が大きく変わろうとしている時代

高校、大学を卒業して4月に入社。そしてキャリアを重ねて、昇給と昇進を重ね定年で会社人生を終え、次の第二ステージに進むというのが従来のパターンだと思います。そのイメージの上にさらに5年延長ということを考える人がいるかもしれませんが、そうはならないだろうと思っています

まず、4月一斉のスタートライン入社が早晩なくなります。入る時期はともかくとして、同じ企業に新入社員として入るのですが、ジョブ型雇用が普及し、全員契約内容が違い給与も違うということが普通に行われるようになるでしょう。大卒の初任給が1千万、2千万という人も当然出るでしょう。プロ野球の世界のイメージで理解していただければ良いと思います。

そうなると、ベースアップという言葉が死語になっていくと思います。必然的に春闘という言葉も消えていくでしょう組合活動は賃上げ要求に重きを置いた活動ではなく、福利厚生、職場環境といった要求をまとめて、使用者とともに会社の存続・発展のために協力するというポジションにシフトをするようになっていくと思います。従来の賃金や手当の額を巡る対決型の労働組合運動は、時代にそぐわなくなるでしょう

というのは、経済競争が激化していきますので、労使ともに協力をして企業を支えるという考えでいないと、企業そのものの存続が危うい時代に突入するからです社員の引き抜きは当たり前のように起きてきます。海外から引き抜かれた人材が、プロジェクトメンバーに突然入ってくるかもしれません。まさにプロ野球の世界で起きていることが、企業社会で起き始めます。


(「キーマンズネット」)

 パラレルキャリアの時代

パラレルというのは平行という意味ですが、組織に属しながら本業と他の仕事(副業)やボランテア活動などを並行的に経験してキャリアをアップさせるということです。

今や人生100年時代が叫ばれるような状況です。仮に、一つの組織に縛られながらキャリアを終えてしまったならば、人生の後半でそのキャリアが使えなくなってしまって生き甲斐・働き甲斐を無くすということがあるかもしれません。そうならないためにも、絶えず最新の知識と技術を学びながら自分の能力を高める努力が必要です。

「社内の留学制度」を利用して大学院で研究をする。その間の賃金保障についてもある程度会社に面倒を見てもらう。その代わり、その後何年間は転社しない契約を結び、会社の発展のために研究成果を発揮できるようにするといった制度を導入する会社が増えてくるでしょう。お互いの利益になるからです。

ただでさえ変化の激しい時代ですが、さらにその加速度が増すことになりそうです。かつて、心理学者のユングは「中年の危機」ということを言いました。彼自身が経験したことをベースにして作られた概念ですが、人生の折り返し点以降の陰鬱とした心理状態を指しています。

ユングは人生を2つに分けて考えます。前半は上がる一方、その分岐点が中年です。中年以降は死に向かって下がる一方である。それはある意味真実かもしれないけれど、「下がることにより上がる必要がある」と言っています。何となく禅問答のような言葉ですが、含蓄があって良い言葉だと思います。会社あるいは社会が安定的に発展していくためには、中堅の人たちがエネルギーチャージをして活躍できる場面を意識的につくる必要があることをユングは言おうとしていると思います。

 

 人生100年を見越した健康づくりを考える必要あり

身体が弱って来てから、急に健康づくりを始めても間に合いません人生50年と言われた時代は、特に何も考えなくても大丈夫だったのです。健康体で生まれれば、50年から60年位はもつからです。しかし、寿命が80を超えてくると、話は変わります

世界保健機関(WHO)が毎年、国別の平均寿命ランキングを発表しています。2018年の統計によると、日本人の男女平均寿命は世界一で84.2歳であった。また、厚生労働省の調査(2020.9/15日時点)によると、100歳以上の高齢者は全国で8万人を超えました。ただ、その半数は寝たきりと言われています

重要なのは健康寿命なのですが、そちらの方は男子72.14歳、女子74.79歳です。「健康寿命」とはWHOが提唱した概念で、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を意味している。平均寿命から健康寿命を差し引いた年数が、病気看護や介護、介助が必要な期間となります男子は8~9年、女子は12年くらいが、人の助けを受けて生きる平均年数となるのですが、データを見ると、平均寿命と健康寿命との差が開く傾向にあります。何となく平均寿命さえ伸ばせば良い的な感覚を多くの人がもっているように思われるのですが、自立してこその幸福感です。平均寿命よりも、健康寿命をいかに伸ばすかということに強く関心を払う必要があるのです。

特に日本は、これから超高齢化時代を迎えます。2025年には高齢者人口が3500万人になります。50年後には100歳以上人口100万人の時代が来るのではないかと言われています。

健康に注意をしてもらおうということで、2014年に日本老年医学会が「フレイル」ということを提唱し始めました。介護の一歩手前の段階の「虚弱」を意味する「フレイルティ(frailty)」からとった言葉です。「食事」「運動」「社会参加」の3本柱を意識した生活を提唱して、健康寿命を延ばすようにしましょうと呼びかけています。

(「LIFULL介護」)

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