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新型肺炎が教えてくれた2つのこと――緊急事態条項の必要性と観光立国の脆弱さ

(この記事は2020/2/3に書いています)

新型肺炎の猛威が止まらないですね。ついに死者が361人(2/3現在)となりSARSを超えてしまいました
ただ、峠は越えていないですね。まだまだ続きます。それより、今後の対応のあり方もさることながら、今回の騒動から何を教訓として導き出し、どんなことを事前に考え、討議し、用意しておくべきかということを考えることが重要です
女性
だけど中国は、ある意味凄いですね。武漢を封鎖して、あっという間に病院を1棟建ててしまいましたね。
全部で2棟建てるみたいですね。武漢市を丸ごと封じ込めて、武漢市の患者はすべて市内の病院で処理してしまおうという発想です。
封じ込めをすると、その市の中でどんどん患者が増えていってしまう気がするんですけど……
1つの市が丸ごと犠牲になってもらえば、他の都市は助かる。そうすれば中国全体が助かるといった単純発想ですが、1党独裁の中央集権国家だからこそできる荒業です。
もし、日本であのような事態になったら、どうするでしょうか
中国と同じことは出来ません。患者と健常者をより分けて、患者を高度治療ができる全国の病院にそれぞれ搬送することになるでしょう
女性
道路も含めて、市を丸ごと封鎖することは、日本では出来ないということですね
日本ではそんなことはできません。今の憲法には、いわゆる緊急事態条項がないので、私権が制限できないのです
女性
もう少し、具体的に言ってもらえないでしょうか
武漢から日本への直通チャーター便を飛ばしましたが、その際に検疫検査を拒否した人が2人いましたよね。平時は、受けるか受けないかについて個人の判断を優先しても良いのですが、緊急事態なので受けてもらう必要があります。しかし、それを強制する法的根拠がないのです。それから、交通を遮断することは、人の移転の自由(憲法22条)を制限することになるので、都市封鎖や道路封鎖はできません。土地も国有地でない限り、財産権が優先するので自由にはできません。
女性
緊急事態の時に各個人が権利を行使すると、問題解決が遠のいてしまう場合があるので、私権を制限する必要があるということですね

その通りです。壊れた車が道路を塞いでいる状態であったとしても、所有権が放棄されない限り、国といえども勝手に処理はできません。台風によってゴルフ場のコンクリート柱が倒れたことがありましたが、その撤去は所有権を有するゴルフ場が行うことになります。すぐに撤去しれくれれば良いのですが、その資金が出せなくなる場合も当然あります。そういった時にも、緊急事態と認定されていれば、所有権の所在に関係なく撤去できます。財産権は憲法に明記してあるので、下位法の法律により権利を制限することは出来ません。憲法を改正してそれを明記する必要があるのです

女性
緊急事態条項が危険だということを言う政党もあります
独裁政治になるとか、戦争になるとか、訳の分からないことを言って、憲法を改正させない口実にしているだけです。それを発動しただけで、どうして独裁政治になったり、戦争になったりするか分かりません。ただ、安保法制の時も、反対派は戦争が始まると言っていましたが、特に何も起きていません。緊急事態条項は世界の常識なので、いざという時に俊敏に動けるために用意をしておいた方が良いと思います。
女性
どうして、世界の常識と言えるのですか?
1966年に国連で採択された国際人権規約第4条は「非常事態における例外条項」として緊急事態には国民の命や暮らしを守るために、一時的に権利を制約する措置をとることができるとしています。憲法を改正する際に、緊急事態条項を入れた方が良いという意見を理解できましたか。
女性
ただ、今は憲法改正の議論すら止まっています。
天は「議論しろ」と言っているんですけれどね。緊急事態条項を早く入れる必要がありますが、それと同時に国民にも普段の心掛けとして、公に協力する精神というか、心構えをもってもらう必要があります

 

女性
それで昨日の話を思い出しました。あの人、誰でしたっけ、……そう大伴部博麻のような気持ちを誰もが持つ必要があるということですね。ところで、彼はあの後、どうなっちゃったのですか。
博麻の話は有名なのでインターネットで検索していただければと思いますが、30年後に帰国を果たしています。持統天皇は彼の英雄的行為を讃えて数々の品とともに「愛国」が入った勅語を贈っています。

今回の新型肺炎騒ぎにより、改めて分かったことが、2つです。1つは、今まで話をしてきた緊急事態条項の必要性です。緊急事態はいつ起こるか分かりません。と言うか、台風、自然災害など、すでに昨年来何回も起こっています。備えあれば憂いなし、備えがないために何回でも「天」はその意志を示します。日本国土の早期回復のために、緊急事態条項を入れる必要性があると言っています

そして、緊急事態が起きてから振る舞い方を変えるのではなく、普段から公人として常識的に行動することが必要だと思います。3.11の時に世界を驚かせたのは、震災に遭遇してすべてを失くしたような極限状態でも、人々は先を争うことなく列を作り、冷静かつ沈着に行動したことです。そういった行動が、世界から支援を呼ぶ力にもなったと思います

2つ目は、観光立国が国の柱の事業とはならないことが分かったのではないでしょうか。政治的対立から国民に訪日自粛を呼びかける国があり、そのことを国民が応えてしまうという場合もあれば、1つのウイルスによる感染の広がりによって、半ば強制的に訪日がシャットダウンされる場合があります。アクシデントなのかもしれませんが、今後も起きる可能性は十分あります

そして、アクシデントがあったとしても、その影響が限定的なものであれば良いのですが、数字を見る限り、そうとは言えません。2019年の訪日客は3188万人でしたが、中国からは959万人、全体の中の約30%を占めていました。中国と韓国で訪日客の約半数を占めました。もともと観光業というのは他の業種に比べて不確定要因が大きいのですが、2つの隣国に大きく頼らざるを得ないところに、不安定さを感じます

危険要因を分散する意味でも、ある特定の国をターゲットにした観光開発を避け、より多くの国々の観光客に来てもらえるように情報発信や観光資源を開発する必要があります。

一か所重点主義ではなく、地域の振興と地方文化の掘り起こし、そこに行政が支援するような形をつくることによって、息の長い観光資源を開発する必要があります。特に、西洋の人たちは、日本の文化そのものを味わいたいという意識が強いので、そういったニーズを考える必要があると思います。

読んで頂きありがとうございました

*アイキャッチ画像は毎日新聞より

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