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「労働者協同組合法」が議員立法で成立 / 地域活性化のプランの中に組み込んで「武器」にしよう

「昨年の12月に『労働者協同組合法』(以下「労協」)という法律が議員立法によって成立しました。今日は、この話題をとっかかりとして取り上げてみたいと思います」

女性

「その法律の名称を聞いて、生活者協同組合(生協)を連想してしまったのですが、関係があるのですか?」

「直接関係はありません(笑)。だけど、その発想で作られた法律です」

女性

「生協は組合員が出資して組織をつくって、それを母体にして共同購入をしたり、お店を運営したりしていますよね」

「労協も組合員が出資して作ります。法律によって、3人以上が集まれば協同労働が始められるようになります。認可手続きも必要ありません」

女性

「イメージが湧かないのですが、どのようなことを想定して法律が作られたのか、もう少し説明していただけませんか」

「実は、この協同労働という考えは西欧にあって、19世紀ころから普及をしています。日本でもそれにならって、日本労働者協同組合連合会という組織が9年前につくられています」

女性

「個々の活動としては、どんなことをしているのですか?」

「どういうメンバーでつくるのか、職場でつくっても良いですし、地域でもいいですし、全く自由です。活動としては、訪問介護、学童保育、農産物販売、手作り品の販売、リサイクルショップ、手作り弁当販売などです」

女性

「確かに、何でもありという感じですね。仲間に入る時には、出資金を払えばよいということですね」

「そうですね。組織を抜ける時は、出資金を返還してもらえます」

女性

「あのを、出資金の配当はあるのですか?」

「労協は非営利組織ですので、出資金配当はありません。団体活動で何らかの利益が出て、それを働いた人に賃金として支払うことはできます」

女性

「こういうのは、どうでしょうか。職場の仲間5人位で労協をつくって、手作り弁当を販売するのは、どうですか?」

「会社が販売と副業を許可してくれれば出来ますけど、会社の中で商売するのかと言われる可能性はあると思います」

女性

「多分しないと思いますけど、そういうことができるのかなと思って聞いたのです。ここからが、本論です ↓」

 地域活性化のための立法

2人の会話では、職場で労協を作るという方向で話が進んでいましたが、あくまでも、そういうことも出来るということで理解していただきたいと思います。

実際に職場で労協を作った場合、労働組合との絡みが問題になってきます。作るに際しては労働組合の許可はいらないのですが、現実には余り良い反応は返ってこないことが予想されます。そのように考えると、職場における労協設立は3つ位ハードルがあると理解していただければと思います。

「労働者協同組合法」の立法化に尽力をした「与党協同労働の法制化に関するワーキングチーム」座長の田村憲久衆議院議員(自民)のインタビュー記事がSNSで配信されています。法制化について、「出資と労働が一体となった組織で、かつ地域課題を解決するための非営利の法人という形態は、現行法では存在していない。NPO法人は出資ができず、企業組合は営利性があるものとなっている。したがって、新たな法制度が必要だ」ということで実現の運びとなったのです。

このように、立法化に尽力した議員も、地域の活性化ということを念頭に置いて行動したのです

 

 地域活性化のための切り札にはならないが、重要な「武器」となる

地域という一つの空間を活性化するためには、何か一つのことを行ったからといって活性化することはありません。つまり、「切り札」はないのです。この社会はそんなに単純には出来ていないからです。なぜ、こういったことを言うのか。それは、単純に考える人たちが多いからです

 単純に考えている例として、総務省の「地域おこし協力隊」制度がそれに該当します。総務省は、「地域おこし協力隊」を創設して、地域活性化の任務を帯びた「隊員」を地域に送り込むという政策をこの10年間行っています。「隊員」の身分は公務員扱いなので、当然有給となります。この隊員は全国で約5300人いて、文字通り「地域おこし」のために活動しています。こういうのを無駄な努力といいます。労多くして見返りが少ない政策の典型です。

この制度を考えた人の気持ちは、純粋だと思います。疲弊した地方を協力隊の人間が助けるというドラマを頭の中に描いて政策化したのでしょう。しかし、人間は「麒麟」ではありません。仮にその位の影響力がある人は、1万人に1人いるかいないかでしょう。5300人なので、全体として0.5人分位の効果しかないだろうと思われます。殆ど、徒労に終わると思います

 

 地域活性化のための大事な視点

地域をまとめるという仕事をさせるためには、「肩書」が必要です。「遠山の金さん」が最後に「紋所」を見せて周りがひれ伏します。権威がなければ、日本の社会はまとまらないということです。単に、公務員の身分では無理でしょう。

だから、志高く地域に乗り込んで行っても、結局「高い壁」にはね返されることになります。「隊員が地域になじめず着任1年以内に25%が退任するという調査結果もあり、受け入れ環境が課題となっている」(『日経』2020.8.11日付)と、「受け入れ環境」を問題にしていますが、もともと「無理筋」なのです真面目な人ほど、悩むと思います。悩んだ末の離脱です。中には上手くいったケースということで、NHKテレビで紹介されていたことがありますが、それをさらに一つの大きな流れにするためには大変な苦労があると思います。

本来、「地域おこし協力隊」の中心に立つべきは、国会議員だと思います。国会議員は地元に責任をもっているはずなので、その地域が疲弊している場合は、先頭に立って問題解決のために努力する義務があると思います。

衆議院議員と参議院議員、場合によっては自治体の長や地方議員と連携して、有機的な組織を地方に立ち上げ、地域の活性化を図ることが必要です。国会の審議に参加していれば済むわけではありません。さらに、地域の活性化のテーマは、与野党共通のテーマなので協力して組織づくりのために骨をおっていただきたいと思います。

そして、「労働者協同組合法」によって地域に網の目のように組織が張り巡らされれば、地域の「基盤」がよりしっかりしたものになっていくと思います。そうすれば、地方の文化が定着して、住みよい街になっていくと思います。

地方(地域)の活性化という大きなテーマに臨むためには、すべての力を結集してまとめる必要があります。まとめるためには、指揮官が必要です。今の状況は、管弦楽団のメンバーは一応いるのですが、勝手にそれぞれパートごとに演奏してまとまっていません。中には、全く演奏に参加しないメンバーもいます。そもそも指揮者がいないという状況です。これでは、地方(地域)の活性化は画餅に終わります。

読んでいただき、ありがとうございました。

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