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ウクライナ問題を通して、偉大な国家とは何かを考える ―― ゼレンスキーとプーチン両大統領 / 現場に対する考え方が全く違う

女性

「ロシアがウクライナ占領地域での住民投票を始めたというニュースが流れていましたけど、どう思われますか?」

「凄いことを考えるなと思って、逆の意味で感心しています」

女性

「投票率が高いですよね」

「数字はいくらでも作れますからね。そもそも、透明の投票箱を用意した時点でアウトだと思いますよ。投票の秘密が守られませんからね」

女性

「反対に投じるつもりで来たけど、中が丸見えの投票箱を見た瞬間に、あきらめて賛成票を投じた人もいたでしょうね」

「まあ、それが狙いですからね。一種のプレッシャーであり、脅しです」

女性

「反対票を投じて、それが分かったら、投票所を出た途端に呼び止められるかもしれませんものね」

「それだけで済めば良いと思いますけどね……」

女性

「すみません、と謝ってもダメですか」

「日本語ならダジャレとして通じますが、ロシア語では無理でしょう。部分動員と言いながら総動員ではないかとも言われています」

女性

「特別軍事作戦なのに、どうして国民を動員するのかという疑問を持つ人が当然出ますよね」

「短期で、しかも国民の負担がないから支持していた人もいたと思いますが、一気にプーチン離れをする可能性があります」

女性

「国外に脱出する人が絶えないようです」

「ウクライナに侵攻した時点でロシアの将来を悲観して、知識人や技術者を中心に約30万人がすでに出国したと言われています。加速するでしょう」

女性

「ただ、意外に簡単に国を見捨てるのだなと、少し驚きました」

「ロシアも含めて、欧米の人たちは社会契約的な考え方で国家を捉えます。国家が約束を破った、あるいは自分たちの権利を保障してくれないのを契約違反と考えます。多分、そういった教育を受けていると思います」

女性

「新たな契約先を探しに他の国に行くという考え方ですか。日本人には余りない感覚だと思います。ここからが本論です ↓なお、表紙の写真は『BBC』の提供です」

 ロシアによる「4地域住民投票」の意味

東部4州のうち、ドネツク州とザポロジエ州については、すべての地域が占領されている訳ではありません。そのため、『産経』(9/29日付)は「4地域住民投票」という書き方をしています。

ところで、そのように州によっては完全占領に至っていないのに、どうして住民投票を行ったのかということです。簡単に言えば、今までの「軍事作戦」が上手くいっていないからです。ただ、今回の住民投票も含めて、すべてにおいて大雑把な計画だと思います。

戦争はスポーツの試合と同じで緻密な戦略と戦術が必要ですが、軍事力の面において圧倒的な違いがあれば、何をやっても勝てると思っていたフシがあります。東側と中央の両面を一気に攻め込めば、ウクライナはあっという間に陥落するだろうと考えたのでしょう。端と中央を同時に攻めるのは、ヘボ将棋の典型ですが、それを実戦で行ったのです。脅しをかければ、芸能人上がりの大統領は腰を抜かして逃げ出すだろうと思ったのかもしれません。すべてがアバウトのため、流石の中国もここに来てロシアと距離を置き始めています。負け側についてしまったら、「一帯一路」は完全に終わってしまうという判断があるからでしょう。

(「読売新聞オンライン」)

 ゼレンスキーとプーチン ―― 現場に対する考え方が全く違う

初期作戦が失敗したのは、その無理な陣形とゼレンスキー大統領の力量を見誤ったからです。ウクライナ国民も、ここまで今の大統領が奮闘するとは思っていなかったのではないでしょうか。彼のリーダーシップがウクライナをここまで引っ張ってきました。国にとって、良き指導者がいると、いないとでは大きく違うということを教えられていると思います。

ゼレンスキー大統領の政治姿勢で一番良いところは、常に国民と共にということで、出来るだけ現場に行こうとする姿勢です。彼の姿は常に普段着です。有事ということがあるのかもしれませんが、国連の会議の時のビデオメッセージの際にも普段着です。そこには、彼の常に現場の兵士、そして国民とともにいたいという彼の思いが伝わってきます。

それに対してプーチン大統領は、常に背広にネクタイ姿です軍隊の指揮権を持ったまま、クレムリンから指令を発しています。野球チームのオーナーが会社の役員室から試合について指示をするようなものです。現場の監督はオーナーからの指令を部隊の隊員に伝える伝令係のような位置付けです。現場の監督は、やりにくくて仕方がないと思います。

そういった点が独裁国家ならではの弱点だと思います。本来は、現場の将軍に指揮権を与えてしまって、自分は後方から支援するというのが良いと思いますが、それをすると軍隊を動かして反旗を翻してくるのではないかという思いがあるのでしょう。一言で言えば、自分の部下に対して疑心暗鬼になっている、つまり信頼していないということです。

(「BBC」)

 偉大な国家とは、伝統や文化を後世に引き継ぐべく努力をしている国

ロシアを偉大な国家にしたいというプーチン大統領の思いが、今回の軍事侵攻を引き起こしました。ところで、偉大な国家とは何でしょうか20世紀までは、大きな領土が絶対的な条件だったと思います。だから、帝国主義という言葉が生まれたのです。

21世紀の現代においては、国家の格付けはそういった物理的な指標ではなく、文化的・精神的な指標において行われるべきだと考えます。そういったことが世界の各国間で合意されていないために、今回のロシアのような侵略行為が起きるのではないかと考えます。

国連改革ということが言われています。ただ今までの状況は、機構改革を企む国々と現状を容認する国々との間の数の上での対決という図式になっているに過ぎません。それでは、お互い多数派を形成するために国際社会で行動しているようなものです。対立を引き延ばしているに過ぎないのです。

21世紀において、世界の国々が自国で追究するものは何なのか。こう書くと、SDGs(持続可能な開発目標)を思い浮かべた人もいるのではないかと思います。ただ、SDGsが掲げる指標を仮にどこかの国がすべて達成したからといって偉大な国家、理想の国家になる訳ではありません。それは丁度、国語、算数など全ての教科でオール5をもらったからと言って、その子が理想的な子どもという訳ではないのと同じです。あくまでも、それぞれの指標をクリアーしたというだけの話なのです。

軍事力でもないし、経済力でもない。その国が時代の中で育んできた伝統や文化、そこには文化遺産も入ります。そして、自然遺産。それらを後世に伝えるべく努力をしている国が偉大な国家ではないかと思います。

21世紀は、価値観の転換をお互いに認識する時代にして欲しいと思いますそのことを世界に発信する時代だと思います。そうでなければ、現状変更を試みる国が次から次へと現われることになります。

(「マグカル」)

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