ようこそ日本の危機へ!このブログでは主に最新のニュース、政治、教育問題を取り上げております。

学校統廃合をすれば少子化はさらにすすむ ―― 学校規模と人間関係の良し悪しに因果関係はない / 私立中学校は学校数を増やしている

「首都圏でも、学校統廃合を進めようとする動きがあります」

女性

「私は学区に1人でも子供がいる限り、学校は開校すべきだと思っています」

「閉校は行政の都合ですからね。教育を受ける権利の主体は、あくまでも「子ども」です。そこから発想していません」

女性

「学校統廃合の計画をしている自治体はどこですか?」

「大規模な統廃合計画が明らかになった自治体は、埼玉県行田市、神奈川県小田原市です」

女性

「そういった計画の理由として言われるのが、一定の規模を確保することの重要性というものですが、どう思われますか?」

「文科省は学校を単に学習の場としてしか位置付けておらず、その観点からすれば、少人数の方が個別対応がより可能となります」

女性

「一番の本音は、教育予算の削減ではないでしょうか?」

「学校を統合すれば、管理職も含めて、教員の人数を減らすことが出来ますからね。自治体は財政的に厳しいところが多いと思います。そこに文科省あたりから統廃合をすれば国から支援をするという声がかかると、そちらになびいてしまうということでしょう」

女性

「本来、教育関連費は国が最優先で支出するべきものだと思っています」

「日本は軍事優先、教育は二の次の中央集権国家を明治の時期につくりました。戦後になって、軍事の代りに経済になっただけで、教育軽視の流れが現在まで続いているのです」

女性

「ここからが本論です ↓表紙は「学びの場.com」提供です」

 学校規模と人間関係の良し悪しに明確な因果関係はない

文科省は児童生徒が集団の中で社会性や規範意識を身に付けることが重要と言っていますが、その集団は3人以上であれば充分です。大集団でなければいけない、という見解は教育学的には正しくありません。そもそも、大規模校にしたり、小中一貫校にしたからといって、人間関係が円滑になる訳ではありませんし、不登校やいじめがなくなる訳ではありません。つまり、学校規模と人間関係の良し悪しに明確な因果関係はありません。集団が大きくなった故に孤独感を増す子供もいるのです。大都会の狭間で孤立感を抱く人がいるように。

教育の原点は、世代間の知識の伝達から始まっていますので、基本は家庭教育です。文明社会が進展して、その作業を外部の専門家である教師に託するようになり、それを組織的に行うのが学校という機関です。だから、集まっている子供が一定程度いれば、行政はその地域に学校を設置する義務があるのです。現在の行政の発想は、人数が少ない地域は学校を開設しないと言っているようなものです。

特に低学年の場合は、小集団でも緊密な関係を維持できるならば、子どもの情緒も安定します。そもそも江戸時代の寺子屋教育は、そのような環境の中で子供たちは社会性を身に付け、学問を習得していったのです。いじめや不登校ということと、無縁な環境だったのです。

(「さくマガーさとうインターネット」)

 

 子供の数に合わせて統廃合をした歴史

戦後の新しい教育制度(いわゆる「6・3制」)がスタートした1947年(昭和22年)度における全国の小学校数と中学校数は、文科省の『学制百年史』などによると小学校(新制小学校)の数:21,000校以上、中学校(新制中学校)の数:約12,000校でした。それらが、時代の中でどのような推移を辿ったのか表にまとめてみました。

【小学校数の歴史的な推移】

1947年(昭和22年) 約21,000校(新制度スタート時)
1957年(昭和32年) 26,988校 (歴史上の最多ピーク)
1999年(平成11年) 24,047校
2026年現在 約18,000校

【公立中学校数の歴史的な推移】

1947(昭和22)年 約12,000校(新制度スタート時)
1950(昭和25)年 14,166校 (歴史上の最多ピーク)
1972(昭和47)年 10,789(激しい統廃合による底)
1999(平成11)年 11,202校
2026年現在 約9,800校

表を見て分かるのは、公立小学校は戦後約10年間、子どもが増えるのに合わせてなだらかに増え、その後は一貫して減少しています公立中学校は、制度開始時に一気に作ってピークを迎え、その後は自治体合併で猛烈に減り、第2次ベビーブームで少し盛り返した後は、一貫して減少しています。要するに、その時々の子供の数に合わせて学校数を調整してきたというのが、戦後の教育行政だったのです。だから、今は少子化が進行しているので、従来の方針に従って学校数を減らしているということです。ただ、そこには学校そのものに対して、単なる組織であり器のような感覚で捉えているところがあります。学校は地域の住民にとって中心となるべき組織ですが、そういう位置付けすらもないということが分かります。

学校は卒業生にとっては母校となり、6年間ないしは3年間の思い出が詰まった場所となります。先生や多くの仲間との出会いの中で様々なことを学び、成長したという実感を誰もが持つ場所です。子供たちは、かけがえのない大切な日々を過ごしたと思うからこそ、そこが心の拠り所となるのです。そして、社会に出て途(みち)に迷った時に、ふと懐かしい思いと共に自分を奮い立たせてくれるエネルギーを貰うこともできます。子供にとっては「聖地」のような場所なので、文科省は公立学校を地域の中に定着させて母校にするような方策を考えるべきだったのですが、それをせず、ひたすら経費削減だけを考えて学校を減らし続けました。

(「戸板女子短期大学」)

 私立中学校は学校数を増やしている

1975 (昭和50)年 520校
1999(平成11)年 693校
2020年代 約770〜780校

高度経済成長期は「地元の公立中学から地域のトップ公立高校へ進む」のがエリートコースの主流でした。そのため、あえて義務教育期間に高い学費を払って私立中学へ通う需要が、一部の富裕層や伝統校を除いてあまりありませんでした。

ところが1980年代半ばを境に、私立中学校は現在にいたるまで勢いよく増え続けています。1980年代の公立学校の荒れ(校内暴力)や、その後の「ゆとり教育」による学力低下懸念から、私立の「中高一貫教育」による大学進学実績が強く支持されるようになったのです。私立の側も、高校からの募集をやめて「完全中高一貫校」へとシフトしたり、女子校、男子校が共学化したりして新しい私立中学としてリニューアルする動きが相次ぎました。

現在、全国の中学生全体に占める私立中学校に通う生徒の割合は約8%(約12人に1人)に達しています。特に都市部での集中が顕著で、東京都内では中学生の4人に1人(約26.7%)が私立中学校に通っており、公立の統廃合とは裏腹に、私立は教育界で大きな存在感を放ち続けています。そして私立中学校は、少子化の中でも学校数は過去最多の水準になっていますが、その根底には公立学校離れがあることは間違いありません。

要するに、舵取りを上手く行えば、学校統廃合をそれほど行わなくても済んだと思っています。安価な良質の教育サービスを国民に提供するという発想が文科省には欠けています。制度疲労を起こしているので、公立小中学校の教育行政を子ども家庭庁に交代したらどうかと思っています。

                                              【参考記事】「小中校統合、首都圏で加速」(『日経』2026.6.26日付)

(「ダイヤモンドオンライン」)

読んでいただきありがとうございました。

よろしければ「ブログ村」のクリックをお願いします。

にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
にほんブログ村

最新情報をチェックしよう!